一目惚れ
1853年、日本は閉ざしていた扉を再び世界に開きました。神秘的で自分たちとは異なるこの国にヨーロッパはひと目で恋に落ち、その影響はヨーロッパ中に広がりました。
ロヴェレッラ宮殿は、ゴッホ、ゴーギャン、デ・ニッティス、ドガ、ボナールなど、ヨーロッパの巨匠の作品の魅力的でエレガントな再評価を通じて、来訪者の皆さまを、これらの傑作に触発された新しい芸術のかたち、日本が西洋に与えた影響と革新を発見する旅にお連れします。
―あなたも日本に恋をしますか?
埋もれた宝の発見
1853年、2世紀に及ぶ長い鎖国を経て、日本は再び世界の外交と貿易の舞台に姿を現しました。ヨーロッパのアーティストにとって、それはこれまで封印され手を触れることの出来なかったパンドラの匣を開けるに等しいことでした。ただし、この匣から飛び出して来たのは、邪悪と世界を襲う災厄の代わりに、賞賛され、学ばれ、模倣されるべき値のつけようもない芸術的・文化的遺産であり、そして何よりも創作へのインスピレーションを齎してくれるものでした。
ジャポニスム
神秘的で異質な国・日本に一瞬で魅せられたヨーロッパは、西洋文化と芸術のありとあらゆる分野に影響を与え、時を置かずして「ジャポニスム」と命名される一大ファッションに火をつけたのです。
創生と進化
本展は、この新しい恋の馴れ初めであり、日本製品の豊かさが世界に賞玩されるきっかけとなった1862年のロンドン万国博覧会を皮切りに、日本と西洋世界とを繋ぐ架け橋となった4回の万国博覧会に対応する4つのセクションから構成されています。
磁器、着物、漆器、浮世絵、扇などの日本製品は、その成功から数年の内に、ヨーロッパ全域を席巻するに先立って、当時芸術の都と目されていたパリをも制覇します。
今もなお与え続ける影響
ジャポニスムの輝かしい栄光は、一時の流行に留まらず、その後も引き続きヨーロッパのあらゆる芸術表現に浸透して行きました。最初の発見からおよそ200年が過ぎた今もなお、この尽きせぬ宝庫は西洋文化に対し、霊感を呼び覚ます貴重な宝石を提供し続けているのです。