2019年十一月8日より、コーモン芸術センターでは江戸時代の日本の着物や文化を紹介する特別展を開催します。150点の浮世絵を始め、フランスでは初公開となる素晴らしい作品の数々が揃います。その殆どが、この分野では世界最大のコレクションの一つとして知られるジョルジュ・レスコヴィッチ・コレクションからの出品です。
浮世絵―「浮世を写した絵」:浮世絵は「アール・ド・ヴィーヴル(暮らしの芸術)」の新しい代表格であり、江戸時代の庶民に人気だった愉楽の数々を映す鏡です。この時代は活気に溢れた芸術と文化で知られていますが、外国の影響を排した時代でもありました。これらの作品は、古くて魅力的なこの芸術の持つありとあらゆる技術とバラエティに富んだ図像の数々を我々に見せてくれます。浮世絵の芸術性は、特に日本のアニメや西洋の漫画に強い影響を残していると言えるでしょう。
摺物―稀少且つ洗練された版画:北斎、広重、北渓、岳亭などの絵師が、洗練された技巧を惜しみなく注ぎ、技術の粋を尽くして豪華な料紙に摺り上げた作品です。摺物とは知識人や文化人の内輪の集まりのために限られた枚数のみ制作された木版画で、多くは狂歌や俳諧などの詩文を洒落た書体で認めた文章と華やかな絵で構成されています。日本的洗練の真髄を示すものとして、これらの作品には日本の古典文化や古の暮らしなどを幅広く取り上げた主題と画像が描かれています。
息を飲む素晴らしき工芸品:本展では、パリのギメ国立東洋美術館・ニース国立東洋美術館・グラースの国際香水博物館等の収蔵品と個人コレクションから厳選した同時代の工芸品の数々も展示します。傾城や花魁の似姿は着物や簪、その他の細々した女物の装飾品と共に、武者や豪傑の伝説を活写した作品は、特に真物の兜や豪華な鎧と共に展示されることで
相互に補完されるようになっています。文机や道具類、様々な日用品は、複製写真や映像記録の抜粋と同様に、来館者を古の日本の日常生活の中に招き入れるでしょう。
傑作のお披露目:最終の展示室には、本展を象徴する3つの浮世絵が期間を区切って入れ替わりに紹介されます。
葛飾北斎《神奈川沖浪裏》:11月8日から21日まで/2020年3月8日から22日まで
葛飾北斎《山下白雨》11月22日から2020年1月15日まで
歌川広重《大はしあたけの夕立》2020年1月16日から3月7日まで
これらの驚嘆すべき3つの名作は、それぞれを基にした没入型の映像と共に展示されます。