いにしえの文化や思想を伝える美術工芸品や歴史資料、そのおおくは、材質上、朽ち果てる宿命といっても過言ではありません。今日そういった文化財に出会えるのは、手から手へ大切に受け継がれてきたからにほかなりません。その背後にあるのは、守り伝えようとする人々の篤い意志、そして古来培われた修復技術でした。
住友財団では、そのバトンを次代につなぐべく、文化財維持・修復事業への助成につとめ、近く30年を迎えます。累計千件におよぶ助成対象のうち、集中するのが京都やその周辺。千年を超え日本の政治文化の中心だったこの地には、戦乱や天災を越え積層した記憶の数々、美意識の結晶があります。本展では、古代から近世にいたる彫刻、絵画、文書など、住友財団助成の修復でよみがえった古都ゆかりの名品をあつめ、修復の物語とともにそのかけがえのない価値を再考します。本展が未来へと紡ぐ糸となれば幸いです。(展示替えがあります。)
住友財団修復助成30年記念
「文化財よ、永遠に」
September 6, 2019 to October 14, 2019
開催場所
泉屋博古館
〒606-8431
京都市左京区鹿ヶ谷下宮ノ前町24
Phone: 075-771-6411(代)