かつて東京でその名を知られた画家、滝和亭。彼の作品は皇居を飾り、国境を越えて万国博覧会でも賛嘆の的になりました。しかし彼の死後、繊細な花鳥画は時代遅れだとして需要が激減し、和亭の作品もゆっくりと人々の記憶から消えて行きました。
「日英文化季間2019-20」事業の一環として、世界博物館は日本国外では初めて、滝和亭の展覧会を開催します。
『自然を描く―滝和亭の日本』展では、和亭の画業に関する稀少な資料として、絵画教授用や主要作品の準備のために、或いは記録として製作した精巧な下絵を公開します。
展示は5つのテーマに沿って構成され、和亭の作品に秘められた意味と象徴性、用いられた技巧、完璧を目指す努力について見ていきます。
また、これらの驚嘆すべき水墨画と水彩画のコレクションが、東京の和亭のアトリエから遠くリヴァプールの博物館にどのようにして辿り着いたのか、その旅路についての物語もご紹介します。