丸に四角、花、葉、瓢箪(ひょうたん)、鳥、兎、樽(たる)、団扇(うちわ)……。これらは古伊万里(こいまり)に見られるかたちの、ほんの一例です。
古伊万里とは、江戸時代に佐賀・有田(ありた)で作られた磁器・伊万里焼(いまりやき)のこと。17世紀初頭に日本初の国産磁器として誕生したもので、試行錯誤を重ね、半世紀ほどで成形や絵付けなどの技術が飛躍的に向上。19世紀に入るまで国産磁器シェアをほぼ独占するとともに、西欧を中心に海外へも輸出されました。
有田では、国内外からの需要に応えて、多種多様な磁器を焼造しました。皿や鉢、猪口(ちょく)、瓶、西欧向けにはティーポットやシュガーポット、ワインカップなどといった器種としてのバリエーションはもちろんのこと、装飾としてのかたちも充実しています。轆轤(ろくろ)成形のみならず、土型を活用したり、彫り文様を施したり、絵付けと組み合わせたりと、技術を駆使して自由自在に様々なかたちを生み出しました。
二期に渡って古伊万里のかたちの魅力に迫る企画展『たのしうつくし 古伊万里のかたち』のうち、前期にあたる今展では、動物や植物、器物などから着想を得て作られた「たのしいかたち」の作品を中心に、約100点を展示いたします。
たのしうつくし 古伊万里のかたちⅠ
October 4, 2019 to December 9, 2019
開催場所
戸栗美術館
〒150-0046
東京都渋谷区松濤1-11-3
Phone: 03-(3465)-0070