絵かき・アニメーション作家の松本力(1967-)は、トレースをせずに1コマずつドローイングを描き、透過光を加えてビデオで撮影して、映像作品を制作しています。映像のインスタレーションとして、立体作品や音声によるライブパフォーマンスのほか、手製の映像装置を用いた独自のワークショップを美術館や学校、滞在する各地域で数多く開催し、国内外で活躍しています。松本は自身の映像作品について、絵を描く中で考えや感情を具象化する、イメージの身体表現と位置づけています。その世界観は、幻想的な描写と時間を遡行するような奇妙な視線とともに、不思議な懐かしさを湛えており、切なさや哀しみの感情を見る者にもたらします。
本展は同時開催の上野アーティストプロジェクト2019「子どもへのまなざし」展との連動企画として、東京都写真美術館で所蔵する作品を、新たなインスタレーションとともにご覧いただくものです。会期中には松本と長年に渡り活動してきた、音楽家VOQとの二晩限りのライブパフォーマンスも行ないます。映像と音楽のまなざしが交差する空間表現をご堪能ください。
松本力「記しを憶う」-東京都写真美術館コレクションを中心に
November 16, 2019 to January 5, 2020
開催場所
東京都美術館
〒110-0007
東京都台東区上野公園8-36
Phone: 03-3823-6921(代表)