多くの芸術家たちの創造の源として、富士山は日本列島の風景に並ぶものなく君臨しています。この比類なき山の景観は、モネやシスレーが光の効果を作品とする半世紀も前に、その移り変わる大気のさまを活写する最初の作品群を、北斎に生み出させました。純粋な三角形の山容を持つ富士山は、日本の浮世絵と当時まだ輸入されたばかりの新技術である写真の被写体として、強い存在感を放っています。その数十年後、印象派の画家たちが「雪の世界」を描き出すことに情熱を傾けたように、富士の山肌を覆う万年雪は、自らに臨む芸術家に、息を止めた自然とそれを乱すものとを紙の上に見事に写し描いて見せよと挑戦しているのです。
富士―雪の世界
July 15, 2020 to October 12, 2020
開催場所
ギメ東洋美術館
Musée national des arts asiatiques – Guimet
パリ市
フランス共和国
6, place d’Iéna
75116 Paris
France
Phone: (+33) 1-56-52-54-33