墨の濃淡が画面に無限の奥行きと広がりをもたらす水墨画。中国を発祥とするこの斬新な絵画表現は日本にも伝播し、独自の表現美を獲得しました。この立役者として欠くことのできない画家が、日本独自の感性に基づく水墨表現を切りひらいた長谷川等伯(はせがわとうはく)(1539 – 1610)です。能登に生まれた一介の地方絵師に過ぎなかった等伯は、33歳の頃に京に上り、画壇の中心的存在にまで昇りつめた画家です。等伯は、中国の水墨画に見られる光や大気の表現を学習しながら、そこに日本人の感性に根差した繊細な情趣を加えることで、独自の画境を切りひらきました。
本展では等伯の水墨画と、その次世代である長谷川派の作品を中心に、日本・中国の名品を交え、伝統を基盤としながらも新たなる風を興した等伯の創作の源に迫りつつ、その遺風を受け継いだ水墨画の多様なすがたに迫ります。
長谷川等伯と水墨画
April 5, 2019 to June 2, 2019
開催場所
出光美術館(門司)
〒801-0853
福岡県北九州市門司区東港町2-3
Phone: 093-332-0251