今回が初公開の東海道を描いた画帖は、近年当美術館のコレクションに加えられたばかりのもので、フランスの詩人で小説家、そして中国学者でもあったヴィクトル・セガレン(1878〜1919)の旧蔵でした。この街道に沿った風景は、後に数々の著名な版画を生み出すインスピレーションの源となりました。
それらの多くを、当美術館は所蔵しています。この画帖は、伝統の末尾を飾るものです。数え切れない日本の絵師たちが、様々な形で、帝のおわす京都と将軍のお膝元である江戸を繋ぐ街道に沿って点在する宿場を、或いは全て、或いはその内の幾つかを選んで描いてきました。