上方浮世絵館では、江戸時代の大阪で制作されていた浮世絵を展示しています。大阪の浮世絵は、歌舞伎の舞台に出演する役者たちを描いたものが多いことが特徴です。役者絵からは、当時の舞台の様子を知ることができます。
水の都ともよばれた大阪は堀川が網の目のようにめぐり、物流は堀川をすすむ船に担われ、大阪の経済をささえました。また、中座や角座のある道頓堀の芝居のそばには道頓堀川が流れています。芝居見物の足としても船がつかわれ、役者のお披露目を船で行うなど、大阪の芝居と船には深く関わりがあります。
そこで今回の展示では、船にまつわる芝居に注目します。芝居の中で船は、人や荷物を運ぶだけでなく、芝居のストーリーや登場人物の思いを乗せて進みます。浮世絵の中の船に、ぜひ乗船してみてください。