鎌倉時代以後、将軍家や大名などの武家は、はるばる大陸からもたらされた茶器や美術品を、「唐物」と称して珍重しました。また、桃山時代から江戸時代初期にかけて、わび茶の形成に大きく貢献した千利休(一五二二‐九一)に続き、古田織部(一五四三‐一六一五)や小堀遠州(一五七九-一六四七)らの大名が茶人として活躍し、茶の湯の新たな潮流を作り出していきました。江戸時代には、茶の湯は武家にとって必須の教養となり、松平不昧(一七五一‐一八一八)など、茶の湯に深く傾倒した大名は少なくありません。
本展では、香雪美術館所蔵の村山コレクションから、武家に縁のある茶の湯の道具約60点を紹介します。