静寂の美―北欧と東アジアの相互作用

June 14, 2019 to October 6, 2019

北欧と東アジアの芸術は、日々の生活に美を見出す点と、自然との繋がりを大切にする点でとても良く似ています。本展では、特に1950年代から60年代にかけてのフィンランド、スウェーデン、デンマーク、日本の作品を中心に、視覚芸術、やきもの、染織、建築のそれぞれの分野の作品を並置して鑑賞しようというものです。

《静寂の美》は、2016年春にアテネウム美術館で開催された展覧会《北欧の日本マニア:1875〜1918》の続編に位置付けられます。大盛況だったこの展覧会は、「日本好き」現象がいかに20世紀にまで継続し、新しい形を取っていったかへの考察を促しました。それを受けた本展では、一方通行の影響ではなく、双方向性に着目します。東アジアのアートが北欧の美的感覚に影響を受けているのと同じく、北欧のアーティスト・デザイナー・建築家は、中国、韓国、そして日本の影響を受けているのです。

紹介される作品は、幾何学的な形や洗練された色遣い、素材そのものの鑑賞など、余計なものを持たない、単純化された美に対する嗜好が共通しています。展示作品はおよそ250点、その内の約三分の一が当美術館の所蔵です。出品されるアーティストは、オーリスとハイディ・ブロムシュテッド、ルーネ・ヤンソン、アイモ・カネルヴァ、カール・キルベルグ、マィヤとアーティ・ラヴォネン、バーナード・リーチ、濱田庄司、キリッキ・サルメンハーラ、佐藤敬、ヘレン・シャルフベック、ヤーッコ・シーヴェネン、趙無極などです。

日本からは、東京の日本民藝館と葉山の神奈川県立近代美術館から多くの作品が出品されます。他には、ヘルシンキのデザイン美術館、スウェーデンのイェーテボリ美術館とストックホルム近代美術館、デンマークのルイジアナ近代美術館から作品をお借りします。

本展は、主任学芸員のAnna-Maria von Bonsdorffと、学芸員のAnne-Maria Pennonenによって企画されました。展覧会についての出版物は、アテネウム美術館の監修により、フィンランド語・スウェーデン語・英語で同時に出版されます。

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開催場所

フィンランド・ナショナル・ギャラリー
アテネウム美術館

ヘルシンキ市
フィンランド
Kaivokatu 2, 00100 Helsinki
Finland
Phone: (+358) 294-500-401