過去数年間、トレド美術館は傑出した作品を称え、地球的規模でのコンテンポラリー・アート世界への貢献を示し、視点の多様化を促し、マルチ感覚のアーティストのプロジェクトとインスタレーションに重点を置く展示計画を奨励してきました。これら全ての要素を体現するのが、ホイットニー美術館の寛大なる貸与によって実現した、草間弥生のインスタレーション作品《水上の蛍》特別展示です。
草間弥生の創作活動は70年に及び、彼女の絵画・彫刻・インスタレーション作品はアートの世界のみならず、20世紀と21世紀双方の広義におけるポップ・カルチャーに消えることのない足跡を残しました。草間の魂が持つ天衣無縫な創造力と複雑さは、アーティストとしての彼女と彼女の活動に生涯にわたって強い影響を及ぼしています。《水上の蛍》は、私たち自身と、私たちが占める空間と、捉え所のない無限という概念の関係性に対する、彼女の現在進行中の探究を物語るものです。来館者は、照明と鏡によって見る者を果てしない広がりの中へと誘い出すこの空間的インスタレーションの一部になることが出来ます。トレド美術館の《水上の蛍》展示は、鑑賞者に草間のユニークかつ非凡なビジョンに直に触れる体験をさせてくれると共に、同時代の最も重要なコンテンポラリー・アートの担い手の一人によって創造された、現代視覚芸術の象徴的な作品に参加させてもくれるのです。
※トレド美術館は、4月30日まで臨時休館中です。再開は5月1日の予定ですが、情勢によって変更があります。