北斎、広重、巴水―変わりゆく日本を旅する

October 19, 2019 to February 26, 2020

ジョバンニ&マレッラ・アニェッリ絵画館は、2019年10月19日(土)から2020年2月16日(日)にかけて、「北斎、広重、巴水―変わりゆく日本を旅する」展を開催します。

本展では、19世紀の二人の偉大な「浮世」絵師、葛飾北斎(1760〜1849)と歌川広重(1797〜1858)の作品と共に、「新版画」運動を担った主要メンバーである川瀬巴水(1883〜1957)の近代版画をご紹介します。巴水は多色摺木版画に新しい対象や主題を取り入れながら、明治・大正・昭和と三つの時代を通じて、1950年代半ばまで制作を続けました。1956年には「人間国宝」に認定*されています。

(*正しくは1953年(昭和23)文化財保護委員会により、記録の措置を講ずべき無形文化財としての木版画制作記録を作成・永久保存することが決定され、巴水の《増上寺の雪》制作過程が記録されたことを指すと思われる。―訳者)

本展覧会はミラノ大学東洋美術史教授のロッセッラ・メネガッツォ、ボストン美術館学芸員のサラ・E・トンプソンによってキュレーションされ、アニェッリ絵画館とボストン美術館、モンド・モストレ社の協力によって開催されます。メインスポンサーはフィアット社です。

葛飾北斎、歌川広重、川瀬巴水という3人の巨匠による100点を超える多色摺木版画の優品を通じて、鑑賞者は日本の最も刺激的な場所を、現実と想像の両方で旅することになります。19世紀末から20世紀初頭にかけて、西洋の影響を受けて大きく変化して行く一つの国の芸術を、如実に描き出すでしょう。北斎と広重の描いた浮世の世界は、巴水が金科玉条とするヨーロッパの規範をますます志していく社会の嗜好の変化と共に、より鮮明に浮かび上がります。

鑑賞者は、モネやゴッホ、ドガやロートレックら当時の画家たちが、北斎と広重の作品を初めて目の当たりにした時に感じたであろう革新性、簡略性と力強さに驚愕し、心を揺り動かされたことから始まる物語を包括的に追体験するでしょう。これら二人の傑出した風景画家は、19世紀末のパリにおける絵画言語に革命をもたらしたのです。

続いて鑑賞者は「浮世」の進化と、そのイメージが巴水の熟練と郷愁、また革新的な技術によってどのように近代へと変化していったかを目撃します。彼の作品が、日本美術界の巨人たちの作品と直接肩を並べて展示されるのは初めてのことです。

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開催場所

ジョバンニ&マレッラ・アニェッリ絵画館

トリノ市
イタリア共和国
Pinacoteca Giovanni e Marella Agnelli
Lingotto
Via Nizza, 230/103 - 10126 Torino
Italy
Phone: +39-011-0062713