聖徳太子1400年遠忌特別展
聖徳太子信仰 ―鎌倉仏教の基層と尾道浄土寺の名宝―

September 21, 2019 to November 17, 2019

聖徳太子(574~622)は、日本仏教の確立者であることはよく知られています。その没後、四天王寺・法隆寺を中心に聖徳太子への信仰は盛行し、日本仏教において広く浸透・影響を与え続けてきました。鎌倉仏教においても、法然や親鸞、一遍などが篤い聖徳太子信仰をもっていたことは知られています。また鎌倉時代中期以降には南無仏太子像(二歳像)や孝養太子像(十六歳像)など、その信仰に基づいて数多くの聖徳太子像が造立されました。そして、鎌倉時代の聖徳太子信仰の中心に位置したのが、西大寺叡尊の真言律宗による活動でした。叡尊やその弟子忍性は四天王寺別当を務め、法隆寺など数々の太子信仰所縁の寺院の再興に携わりました。また今日数多く残る聖徳太子信仰による造像は、真言律宗の影響下にあったことが想定できます。
一方、広島県尾道市に所在する浄土寺は全国的にも知られる名刹ですが、もとは真言律宗で信仰の中心には聖徳太子信仰があります。すなわち浄土寺本尊は聖徳太子御作とされる長谷寺十一面観音の模刻像で、同寺には鎌倉時代後期から南北朝時代の様々な姿の聖徳太子像が三躯も安置されます。
本展覧会では、国宝称名寺聖教から聖徳太子信仰関連のものを交えながら、鎌倉仏教ととりわけその中心にあった真言律宗による聖徳太子信仰関連の遺品を一堂に集めて公開し、その信仰世界を浮かびあがらせようと思います。また聖徳太子信仰の中心寺院の一つである浄土寺の全面的なご協力を得て、同寺の中世律宗に関する仏像、仏画、文書を一堂に会したいと思います。

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開催場所

神奈川県立金沢文庫

〒236-0015
神奈川県横浜市金沢区金沢町142 
Phone: 045-701-9069